「公衆トイレツアー」レポート第二弾、渋谷のトイレプロジェクト
「THE TOKYO TOILET」の「恵比寿東公園トイレ」。
同プロジェクトの安藤忠雄氏のトイレには「あまやどり」というタイトルがあるのに今回のトイレはタイトルが何故ないのか。
みんなこのトイレを見たら言いたくなる、それはズバリ「タコ公園のイカトイレ!!」
とにかく白い!白のバリエが豊富すぎてもはや完全にイカ、なトイレ。
まず初めに言っておきたいです。
これはもうほぼイカ。
タコ公園のイカトイレです。
このシャレが効きまくっている表現を、
90歳を超えたあの巨匠建築家、槇文彦さんが手がけたと思うともうトキメいてしまって好きすぎます。
好きすぎるんですが、極端な話目の前にある横丁で飲んだあと、酔っ払いが立ち寄って汚すとも限らないこの場所に、真っっっっっっ白なこのトイレ。本当にキレイに保てるのでしょうか。。ひとごとながら大分心配になりました。
でもこのイカトイレ、様々なトキメキポイントがあるので、ご紹介します(させて)!
まずかっこよさ。それが使いやすさにも直結している
①スチールとアクリル板の組み合わせ
ツルっとクリアな白い壁や屋根と、半透明な白の壁の組み合わせが、皮をキレイに剥いたばかりのイカのようでした。
アクリル板は半透明なので、男性トイレの扉の青と女性トイレの扉の赤が少し透けて見え、迷わずたどり着けそうです。
②とにかく徹底的に明るくて清潔、ひらいた感じのする安心空間
統計の話になりますが1回のトイレ個室利用時間というのが、男性4分・女性3分らしいので、平均して3分30秒、ですよね。
生理的な時間でもありますがトイレの時間って、気持ちのスイッチングをする時間でもありませんか?
僕は自称「トイレ野郎社長」なんで、この時間を快適に感じてほしいと思っています。
槇文彦氏は単なるトイレ空間ではなくこの場所をパビリオン(あずまや、憩いの場)としても使用できるようにしたかったそう。
だから風通しもよく、採光の考えられた分棟型になっており、中庭があり、中央に樹が植えられ、ベンチも設置されています。
夜は内側から暖かな色味の光が灯され、公園にタープが出現したかのような安心感あるたたずまいのトイレになっているのもまたステキ。
もう、これは平均滞在時間の3分30秒なんてぶっちぎりで超えてくつろぎたくなっちゃうような場所だと思いました。
③軽やかだけど計算されつくした屋根
白くて薄い屋根は軒反りの曲線を描いていました。これは造船の手法で表現したらしく、軽やかさを感じさせています。
女性トイレ、男性トイレ、ユニバーサルトイレの棟をこの屋根がつなげている役割ですね。
薄い鋼板の白い屋根がそれらを覆っているような形になっていて、それがイカのような雰囲気。
④トイレ、小便器、手洗器全て床から浮いている
これ、掃除もしやすいし衛生的ですよね。
雨仕舞もお見事
真っ白な壁が雨水で黒ずまないよう、雨仕舞にも大変気を遣っているようです。
雨が降ったときに壁を伝わないよう、単なる軒樋(のきどい)を使用するのではなく、屋根上部に雨水を集め、絶妙なカーブの設計で下の砂利(これも白!)に落とすようにしたり、ステンレスのパイプを「とい」の役割に仕立てたりといたるところに白さを保つ仕組みがありました。
白いトイレにした意味は、使い手の全員に託されているような気がした
この「THE TOKYO TOILET」プロジェクトは作ったら終わりではなく、公共のトイレをずっとキレイに清潔に安心して使用できるよう維持管理をも想定しているところが素晴らしいと僕は思います。
こういうパブリックなトイレは、それこそ多種多様な人が好きなタイミングで使用しますよね。当然全員がトイレマナーがいいとは限らないし、一度汚れ始めるとつい「ちょっとくらい汚しちゃったけどもともときれいじゃないからまあいっか」のチリツモになりがちです。
それを阻止すべく、一日三回程度、清掃が入るというのがありがたいですよね。日本財団、渋谷区、渋谷区観光協会の協定らしいですが、どこの自治体でもできることではないですよね。できたらいいですけど。
そうやって毎日毎日キレイを保っていれば、そこを使う人の「公衆トイレに対する心持」だって変化があるはずだと思っています。
そういう積み重ねが、渋谷区だけに限らず全国に広がって、公衆トイレへのマイナスなイメージをみんなで変えていければいいなと思いましたね。
ちなみにKAWAYA-DESIGNがとったアンケートですが、
トイレに求められる改善項目(アンケート)
①清潔さ ②広さ ③明るさ
と、トイレに対して3つの抽象的な要求が浮き彫りになりました。
また、④管理 ⑤設備
と、具体的な要求としては2つ。
「THE TOKYO TOILET」プロジェクトで今回僕が見たトイレは今のところ全部、見事にこれがかなえられていると感じました。
対して、全国的に言うとトイレ計画のガイドラインを定めている自治体は12%のみなんだそうです。
前回の「あまやどり」の時も思いましたが、やはり公共のトイレを作る際は、
ガイドラインも必要ですし、長い目で見てもみんなが快適に安心に使用できるトイレを計画すべきですね。
またも気持ちが沸騰してきました。
あ、また今日も、ふと見るとステキなたたずまいの場所が。
恵比寿横丁!!!くぅ~!!!!
ここでトイレ談義をしたい…
誰か、誰か僕とどうか!!!(笑)
この魂の叫び、また今日も横丁には行けなかったのでここにアツくほとばしらせていただきました。
お付き合いいただきありがとうございます♪
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