インフラスタンドができた後、地域の輪の広がりが見えてきた話。
前回の対談では、インフラスタンドができてからのムーブメントをご紹介しました。
今回は、インフラスタンドが開いたイベント「KAWAYA市」の開催までの経緯と、そこから起きた広がりについてのお話です。
全4回に亘る大型対談特集の第二弾。前回同様建築家高橋真理奈さんと、自称トイレ社長こと小澤大悟が語ります。
インフラスタンドを作ったら、面白いつながりができてきた
—-前回のインタビューで、インフラスタンドができてから大きな企業や市役所などとのつながりができたとおっしゃっていましたが、具体的にはどのような流れだったのでしょうか?
小澤インフラスタンドという場所ができて、その場所をうまく活用して所沢という土地に面白さを作りたいという「官」の方たちからのお声がけをいただいたり、その場所で開かれるイベント開催に興味があるという大きな団体や企業さんといういわゆる「民」の方たちともつながり始めましたね。
でもそれは、この場を利用したイベントをしかけてからの話です。
もともとインフラスタンドができたらイベントを主催したいという計画があったので、場所が完成してすぐに実行しました。
—-それがKAWAYA市ですね。
小澤そうです。定期的にこの場所でイベントを開くことで、普段は通りがかるだけで中に入るまでには至らなかったご近所の方たちに、この場に気兼ねなく入ってもらえたらと思いました。
インフラスタンドの近くに住んでいるけどまだ立ち寄ったことのない人にこそ来てほしい
小澤ご近所の人って、近いからこそ関心が薄いということもあると思っていて。
まだまだ近所の人から、何をやっている場所なのか、何の会社なのか、とかよく聞かれるので。
毎日通って目にする場所だからこそ、いつでも行けるから、すぐに調べるほどには関心を持ってないんだなと思うこともあります。
高橋さん私の家族もずっと所沢に住んでいますけど、近所の個人商店とかあんまり知らないです。
所沢だからってことじゃなくて、たぶん住んでいると、なんとなくスルーしているのかなって思います。
だからこそ、気になっていたけどまだインフラスタンドに行ったことない人もKAWAYA市みたいなイベントがあれば遊びに行ってみようという機会になるかなと思いました。KAWAYA市のチラシとかをもらう機会もあると思うので、いいきっかけになるなと。
石和設備工業という会社の姿勢を伝えられるチャンス
小澤イベントに来た人に元気よく明るい挨拶をしたりすることや、インフラスタンドのトイレがキレイに掃除されていることを実感してもらうことで、ちょっと怖くて近寄りがたい建設業のイメージが変わるのかなって思ってます。
あそこの社員さんってみんな明るくて丁寧な印象だよね、ってなると水回りのことも相談してもらいやすくなるのかなと思います。
インフラスタンドがキレイってことは、きっと現場の仕事もきれいだろうって。そういう風に伝わってくれたらうれしいです。
日本が誇る「キレイで安全な公衆トイレ」はここにあり!飲食を伴うイベントすら抵抗感なく開ける清潔さ
—-KAWAYA市とはどのようなイベントですか?
小澤ひとことでいうと、公衆トイレを中心に行われるマルシェですね。
—-ざ、斬新。。。まあでも、たしかにそういうイベントですね(笑)。
小澤言葉で言うとちょっとインパクトの方が先立ってしまうと思うんですが、やはり僕は、この国のトイレって日本の強みだと思うんです。
海外の人が「日本のトイレってきれいで感動した」ってよく言いますよね。
その「安全と衛生」を前面に打ち出した公衆トイレがインフラスタンドのトイレなので、まずはそこを感じてもらいたいですね。
でも斬新は斬新なので、ひとまず僕としては「やってみなはれ」のマインドで取り組みました。
一回目と二回目ではチャレンジしたかったことも違いますし。
—-そうなんですね。具体的には?
小澤第一回目は所沢の社会実験に参加、第二回目は親子でゆっくり、サブカルチャーで若者にも興味を持ってもらうということでいろいろ試してみました。
二回開催したなかで、「KAWAYA市らしさ」はつかめた気がしますね。
一回目と二回目のイベントについてはこちら
水道屋という仕事への誇りも感じ、感じられたい
小澤いつも言っている話ですが、インフラスタンドの計画をしていたときから、ただ場所ができただけでは何も意味がないと思っていました。
活きた場所にしたかったし、それがKAWAYA-DESIGNのブランディングにつながると思っています。そしてトイレという存在のイメージアップですね。
—-小澤さんの「トイレ愛」の原動力ですね。
小澤それと業界向けに、面白そうな水道屋いるなと知ってもらうこと。
うちで働いているメンバー向けにも、この仕事って「汗かいて泥を触って大変な仕事だな」っていう世界以外にも仕事の広がりを感じてもらいたい。
今までなかなか知り合うことがなかった出店者さんと仕事をする事やまちづくりをやってきた方々との協業ってなかなかできる経験じゃない。
「この仕事おもしろいな」って感じてもらう事が裏テーマとしてあったりしてます。
—-小澤さんと水道兄弟である弟さん以外の社員さんも関わっているんですか?
小澤身内を褒めるようでアレなんですが弟はそこそこ目端の利く男で、勘もいいんですよ(笑)。
当日、ちょっというだけでいろいろやってくれるから助かってますね。
でも実際多岐にわたって動いているのは実は妻なんですが(笑)。
本当に助かってます。
—-私もイベントに伺ったとき、奥様の活躍は拝見しています(笑)。今度そのあたりの逸話も聞いてみたいところです!
小澤ぜひ。僕が知らないところで動いてくれている部分もあるので、僕自身も知りたいです(笑)。
高橋さんご自身がクリエイター活動をしていて、ほかのマルシェにも出店されているから、KAWAYA市にもその知見を活かして企画・運営をしてくださっています。
小澤出店者さんとのやり取り秘話とかもあると思いますので、次回の企画でお願いします。
実は「KAWAYA市」というイベント名にはこんな思い入れがあった
—-改めてお聞きします。KAWAYA市、というイベント名の由来はなんですか?
小澤昔このあたりが所沢飛行場前駅だったから「Station」を入れるとか、関わる人達が大空にはばたくイメージの名前にしたいとか、いろんな角度の違う案があったのですが、いくつか上がってきたネーミングの中で、「KAWAYA市」が一番よかったんです。
楽市楽座がアイデアの源流です。
お城の周りに賑わいができるというところから、トイレの周りに賑わいを作りたいという風につながりました。
名前の由来の詳細はデザイナー酒井さんのnoteへ。
—-なるほど。となると、インフラスタンドの活用をどんどん広めていって、周辺の所沢の街も含め面白くなっていくことを期待してのネーミングなんですね。
小澤KAWAYA市が始まってから官民含め多方面からお引き立てがあってうれしいです。
—-では次の回で、具体的にはどんな広がりがあったのかお聞かせください。
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